はじめに
「家族滞在」ビザを持つ外国人の方が日本で生活する中で、アルバイト(資格外活動)は家計を支える大切な手段となっています。しかし、「週28時間以内」という就労時間制限を超えてしまった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか?今回は、資格外活動のルールや更新申請時の注意点、違反した場合の影響について、詳しく解説します。
「家族滞在」ビザと資格外活動の基本
「家族滞在」ビザは、日本で就労ビザを持つ配偶者や親と一緒に暮らすための在留資格です。原則として就労は認められていませんが、出入国在留管理庁に資格外活動許可申請を行い、許可を受けることで、アルバイトなどの収入を伴う活動が可能となります。
資格外活動許可の条件
- 1週間につき28時間以内の就労に限る
- 許可された活動内容以外の就労は禁止
- 風俗営業等、法律で禁止された業種は不可
この「28時間以内」という制限は、どの曜日から起算しても連続する7日間で28時間を超えないことが求められます。
週28時間を超えてしまった場合のリスク
ビザ更新時の審査
「家族滞在」ビザの更新申請時には、在留資格の活動内容や扶養関係、経済力などとともに、「オーバーワーク(週28時間超の就労)」がなかったかも審査されます。もし資格外活動許可の範囲を超えて働いていたことが発覚すると、更新が不許可となる可能性があります。
違反が発覚した場合の影響
- ビザ更新や在留資格変更が不許可となる
- 最悪の場合、在留資格の取消しや退去強制の対象となる
- 退去強制の場合、5年間は日本への再入国ができない
- 雇用主も「不法就労助長罪」として罰則の対象になる(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)
事例
ベトナム出身のAさん(30代・女性)は、「家族滞在」ビザで日本に滞在し、資格外活動許可を得てアルバイトをしていました。しかし、生活費のために複数の職場で働いた結果、週32時間働いてしまったことがありました。翌年のビザ更新申請時、提出した課税証明書からオーバーワークが判明し、更新が不許可となりました。Aさんは反省文を添えて再申請しましたが、許可は下りませんでした。
よくある質問と注意点
Q1. 1回だけ28時間を超えてしまった場合も不許可になりますか?
A. 基本的には「継続的な違反」が重視されますが、1回でも悪質と判断されれば不許可となる可能性があります。課税証明書や給与明細から就労状況は厳しくチェックされます。
Q2. どうしても28時間を超えて働きたい場合は?
A. 「家族滞在」ビザのままでは不可能です。週28時間以上働く場合は、適切な就労ビザ(例:技術・人文知識・国際業務等)への変更申請が必要です。
Q3. 雇用主側の責任は?
A. 雇用主がオーバーワークを知っていた、または管理を怠った場合も罰則の対象となります。外国人労働者の労働時間管理は雇用主の義務です。
資格外活動の適正な管理方法
- 複数の職場で働く場合は全体の合計時間を管理する
- シフト表やタイムカードで就労時間を記録する
- 毎週の労働時間を自身で確認する
- 雇用主とも情報共有し、違反がないよう注意する
まとめ
「家族滞在」ビザでアルバイトをする場合、資格外活動許可を取得し、1週間28時間以内の就労を厳守することが絶対条件です。オーバーワークが発覚すると、ビザ更新の不許可や退去強制など、非常に重いペナルティが科されます。自分自身と家族の安定した日本での生活のためにも、資格外活動のルールを守り、適切に管理しましょう。