はじめに
技能実習制度で3号への移行を検討する企業様から「実習実施者の変更は可能か」という質問をよく受けます。2025年現在の制度では、特定の条件を満たせば実習先変更が可能ですが、優良要件の適合や厳格な手続きが求められます。本記事では、技能実習3号移行時の実習実施者変更の可否と具体的な条件を、最新の法令に基づき解説します。
技能実習3号移行の基本要件
必須条件3点
- 技能検定3級相当の実技試験合格
2号修了前に専門級技能評価試験の実技試験に合格必須 - 1ヶ月以上の一時帰国
2号終了後~3号開始前の期間に母国へ帰国(1年未満) - 同一職種・作業の継続
移行対象職種(77職種135作業)内で同一技術の継続が条件
企業側の優良要件
- 実習実施者が120点満点中72点以上で優良認定
- 監理団体が一般監理事業の許可取得
- 過去3年間の技能検定合格率80%以上が望ましい
実習実施者変更の可能性と条件
変更可能なケース
- グループ企業内異動
親会社→子会社等の組織再編時(企業単独型) - 監理団体変更を伴う場合
新監理団体が優良認定取得済みであれば可能 - 実習継続困難時の特例
倒産・不正行為認定時は機構が変更支援
禁止されるケース
× 職種・作業の変更を伴う転籍
× 非優良企業への移動
× 3号計画認定前の無許可変更
必要書類一覧
- 技能実習計画変更認定申請書(様式第4号)
- 新旧実習実施者の登記事項証明書
- 優良要件適合証明書(新実施者分)
- 実習先変更支援サイト登録証明
よくある誤解と注意点
誤解①「3号になれば自由に転職可能」
→ あくまで同一職種内かつ優良企業間移動に限定
誤解②「試験合格すれば自動移行」
→ 計画認定申請+在留資格変更申請が必要
注意点
- 変更手続き期間:通常2~3ヶ月要する
- 変更回数制限:1回のみ可能(正当理由必要)
まとめ
技能実習3号への移行における実習実施者変更は、優良要件を満たす新実施者の選定と厳格な手続き遵守が前提です。2025年4月施行の改正法では、変更時のサポート体制強化が図られていますが、書類準備は従来以上に複雑化。国際業務に精通した行政書士への早期相談が円滑な移行のカギとなります。