はじめに
国際結婚が増加する中、年齢差が大きい夫婦が「家族滞在」ビザを申請するケースも珍しくありません。しかし、年齢差が15歳以上ある場合、入国管理局は偽装結婚の可能性を慎重に審査する傾向があります。本記事では、年齢差のある夫婦が家族滞在ビザ申請時に偽装結婚を疑われないための具体的なポイントを解説します。
家族滞在ビザとは
家族滞在ビザは、日本で就労や留学などの在留資格を持つ外国人が、その配偶者や子どもを日本に呼び寄せて一緒に生活するためのビザです。配偶者や子どもが扶養を受けていること、経済的な基盤があること、家族関係が証明できることが主な要件です。
年齢差が大きい夫婦が審査で注目される理由
年齢差が大きい場合、入国管理局は「本当に実態のある結婚か」「在留資格取得が主目的ではないか」を厳しく確認します。過去に偽装結婚が多く発覚した背景もあり、リスク案件として警戒されやすいからです。特に以下のようなケースは疑われやすくなります。
- 年齢差が15歳以上ある場合
- 交際期間が極端に短い場合
- 出会いの経緯が不自然な場合(インターネットや結婚相談所など)
- 言語や文化の違いが大きく、意思疎通が困難な場合
- 経済状況に大きな差がある場合
偽装結婚を疑われないためのポイント
1. 結婚の経緯や交際の実態を詳細に説明
- 出会いから結婚に至るまでの経緯を時系列で説明した書面を提出する
- 交際期間中のメールや手紙、チャット履歴、写真などを用意する
- 結婚式や家族・友人との交流の写真も有効
2. 家族や周囲の理解・協力を示す
- 双方の家族が結婚を認識し、祝福していることを証明する
- 共通の友人や知人からの証言書があると信頼性が高まる
3. 経済的基盤を明確にする
- 扶養者の収入証明書や納税証明書、預金残高証明書などを提出
- 日本での生活設計や住居の確保状況も説明する
4. 言語やコミュニケーションの実態を示す
- 夫婦間でどの言語で意思疎通しているかを具体的に説明
- 通訳アプリだけに頼らず、日常のやり取りができていることを証明
5. 実際の生活実態を証明
- 同居の有無や生活費の分担状況、日常生活の写真など
- 旅行やデートの写真、日常の買い物や外出の記録も有効
6. その他の注意点
- 申請書類の内容に一貫性を持たせ、矛盾がないようにする
- 申請人や配偶者の過去の在留歴やビザ申請履歴に問題がないか確認
- 必要に応じて行政書士など専門家に相談する
事例
例えば、日本で「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ35歳のAさん(男性)が、20歳年下の外国籍の配偶者Bさん(女性)を家族滞在ビザで呼び寄せたい場合、以下のような資料が有効です。
- 出会いは共通の友人の紹介で、交際は2年以上継続
- 交際中の旅行写真や、家族同士の食事会の写真
- 結婚式の写真や、双方の家族が結婚を祝福している証言書
- Aさんの収入証明書と、日本での住居賃貸契約書
- 普段のやり取りのチャット履歴や、共通言語での会話記録
まとめ
年齢差が大きい夫婦で家族滞在ビザを申請する場合、入国管理局は結婚の真実性を厳しく審査します。出会いから結婚に至る経緯や交際の実態、家族や周囲の理解、経済的基盤、日常のコミュニケーションなど、客観的な証拠を多角的に提出することが重要です。書類の準備や説明に不安がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。