はじめに
日本で働く外国人の方が、ご家族を日本に呼び寄せる際に必要となる「家族滞在」ビザ(在留資格「家族滞在」)。この申請において、「住居の広さや間取り」が審査にどのような影響を与えるのか、不安に思われる方も多いのではないでしょうか。特に、家族の住居がワンルームの場合、「ビザ取得に不利になるのでは?」と心配されるケースが増えています。本記事では、住居要件の実態や、審査で重視されるポイント、そして申請時のアドバイスを詳しく解説します。
家族滞在ビザの基本要件
家族滞在ビザとは
家族滞在ビザ(在留資格「家族滞在」)は、日本で就労する外国人や留学生が、自身の配偶者や子どもを日本に呼び寄せ、一緒に生活するための在留資格です。対象となるのは、法律上の配偶者や子どもであり、両親や兄弟姉妹は原則対象外です。
申請の主な要件
- 配偶者や子どもとの法律上の家族関係が証明できること
- 扶養者(呼び寄せる側)に十分な経済力があること
- 家族が生活できる適切な住居が確保されていること
- その他、素行が良好であること、入国拒否事由に該当しないこと
住居要件の実態
住居の広さや間取りは審査でどう見られる?
家族滞在ビザの審査では、「家族で生活するのに適切な住居が確保されているか」が重要なポイントとなります。この「適切な住居」とは、家族の人数に応じた広さや間取りがあることが求められます。
例えば、夫婦2人であればワンルームでも許可される可能性がありますが、子どもを含む3人以上の家族がワンルームに住む場合、「生活に適した住居が確保されていない」と判断され、不許可となるケースが多いです。また、配偶者や子ども以外の同居人がいる場合も、適切な住居とは認められにくくなります。
ワンルーム住居の場合の注意点
- 夫婦2人であれば、ワンルームでも許可される可能性はある
- 3人以上の家族、あるいは同居人がいる場合は、ワンルームでは不許可となるリスクが高い
- 申請時には、賃貸契約書や間取り図の提出が求められるため、実際の住居の広さや間取りが明確に審査される
公式情報・ガイドライン
法務省出入国在留管理庁や外務省の公式サイトでも、「家族で生活できる住居の確保」が申請要件として明記されていますが、具体的な広さや間取りの基準は公開されていません。実際の審査では、申請者の家族構成や地域の住宅事情などを総合的に判断されます。
事例紹介
ベトナム出身のAさん(30歳・ITエンジニア)は、日本で働くために奥様(28歳)を呼び寄せることになりました。Aさんは都内のワンルームマンション(25㎡)に住んでいましたが、夫婦2人で生活するには十分と判断され、家族滞在ビザが許可されました。
一方、Bさん(35歳・技能実習生)は、妻と2人の子どもを呼び寄せる予定でしたが、同じくワンルームに住んでいたため、申請時に「家族全員が生活するには十分な広さがない」と判断され、不許可となりました。Bさんはその後、2LDKの賃貸物件に引っ越し、再申請して許可を得ることができました。
行政書士からのアドバイス
住居選びのポイント
- 家族の人数に応じた広さ・間取りの住居を選ぶこと
- 賃貸契約書や間取り図の準備を忘れずに
- 申請前に引越しを検討する場合は、家族全員が生活できるスペースがあるか確認する
- 住居に関する不安がある場合は、専門家(行政書士等)に相談する
申請時の注意点
- 住居以外にも、経済力や家族関係の証明が必要
- 申請書類は正確かつ最新の情報を提出すること
- 不明点や個別事情がある場合は、事前に出入国在留管理庁や行政書士に相談する
まとめ
家族滞在ビザの申請において、住居の広さや間取りは重要な審査ポイントです。ワンルーム住居の場合、家族の人数によっては不利になることがありますが、夫婦2人であれば許可される可能性もあります。家族が増える場合は、広めの住居への引越しを検討し、申請時には賃貸契約書や間取り図などの証明書類をしっかり準備しましょう。住居要件や申請手続きについて不安がある方は、専門家に相談することをおすすめします。