はじめに
最近結婚したものの、夫婦間で喧嘩が続いたり一時的に別居したりすると、「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」などの在留資格(通称:配偶者ビザ)の更新審査にどのような影響があるか心配になる方も多いです。この記事では、数か月の結婚生活で関係が悪化した場合や別居となった場合、更新申請時に入管へ説明すべき具体的なポイントを、最新の行政・法務情報を踏まえて詳しく解説します。
配偶者ビザ更新と夫婦不和:入管の基本的な考え方
在留資格「日本人の配偶者等」の基本要件は、法的な婚姻関係の継続だけでなく「同居し、助け合う実態的な夫婦生活」が前提です。そのため、喧嘩や不仲による別居・疎遠が数か月続く場合、更新審査は厳格になります。単なる喧嘩や一時的な冷却期間が理由の場合も、客観的に「婚姻継続意思」があることを証明する必要があります。
別居が審査に与える影響
別居は「婚姻関係が破綻した兆候」と判断されやすく、特に下記の場合はリスクが高まります。
・3か月以上連続した別居
・住民票を別々の住所に異動した場合
・夫婦間の連絡や生活費の支援が途絶えている場合
しかし、必ずしも「別居」=「不許可」ではなく、合理的な理由と「今後も婚姻生活を継続したい」という意思が明確であれば、許可される可能性があります。
更新申請で説明すべき内容と必要書類
配偶者ビザの更新申請時、「別居や夫婦不和」の場合は、下記の説明と証拠書類が重要です。
【理由書の提出】
・別居の開始時期と理由(仕事・学業・介護・一時的な喧嘩・DV被害・仲直りのための冷却期間など)
・別居期間の見込み(いつまで続くか、今後の同居予定)
・別居中の夫婦間の生活費負担や交流の状況(送金記録、連絡履歴)
・婚姻継続意思や解決の努力(カウンセリング受診、復縁話し合いなど)
【証明書類】
・住民票、住居契約書、仕事や学業に伴う別居であれば勤務先や学校の証明書
・DV被害の場合は診断書や警察の報告書
・LINE、SNS、メールのやり取り記録
・生活費の振込記録、送金証明
・複数名証人の陳述書(家族や知人による状況説明)
審査官の着眼点:不許可リスクの回避
婚姻関係の継続性を示す意思と事実を、合理的な説明と証拠資料で補強することが肝要です。ウソの申告や証拠の偽造は、厳重なペナルティが科されるため絶対に行ってはいけません。状況によっては「特定活動」等への在留資格変更も選択肢となりますので、専門家や行政書士への相談も有用です。
事例紹介
たとえば、結婚半年で夫婦喧嘩が続き一時別居となったAさんは、将来的な同居意思と、SNSでの連絡履歴、生活費振込記録、家族証明書を提出し、詳細な理由書を添えて申請した結果、在留期間は短縮されたものの、更新許可が得られたケースもあります(実例ではありませんが、公的情報を参考に再現)。
公式情報・相談先
出入国在留管理庁(法務省)の「外国人在留総合インフォメーションセンター」などで、最新の申請書式や必要書類などについて公式問い合わせが可能です。
まとめ
結婚後数か月で喧嘩や別居に至った場合でも、婚姻継続の意思や現状の合理的な説明ができれば、配偶者ビザの更新が認められる可能性は十分に残されています。そのため、「正直な申告」と「客観的な証拠資料」の提出が最重要です。迷った場合は、行政書士や専門家への相談をおすすめします。


