はじめに
日本で生活する外国人の方にとって、「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」といった在留資格の更新は、家族や今後の生活設計に大きく関わる重要な手続きです。特に「配偶者等」の在留資格をお持ちの方は、「子どもがいると審査に有利なのか」「子どもがいない場合は不利になるのか」といった点が気になるところです。本記事では、法務省や入管庁の公式情報を基に、子どもの有無による更新審査の違いについて、詳しく解説します。
配偶者等在留資格の基本と審査基準
「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」の在留資格は、法務省のガイドラインに基づいて審査されます。審査では、夫婦が実際に同居し、安定して生活しているか、税金や社会保険料の納付状況、適法な就労・生活実態などが重視されます。また、更新の際は、申請者本人だけでなく、配偶者側にも「身元保証人」「課税証明」「住民票」等の書類が求められます。
子どもの有無と更新審査のポイント
子どもがいる場合、以下のような追加的な観点が審査で考慮されます。
・小中学生など義務教育年齢の子どもがいる場合、子どもが学校に通っていること(就学実態)がポイントになることがあります。
・家族としての生活基盤が日本にしっかりと築かれているか、という点で有利に働く場合があります。
・ただし、子どもがいない場合でも、夫婦の婚姻生活が継続し、生活が安定していると認められれば、基本的な審査基準には変わりありません。
実際の審査で問われる「家族の生活実態」
入管庁のガイドラインや各種公式情報によると、更新審査で最も重視されるのは「夫婦が同居していること」「生計を共にしていること」「収入と納税実績が安定していること」などです。子どもの有無はそれ自体が必須条件ではなく、あくまでも家族として安定した生活を営んでいるかの補強材料として評価されます。
事例紹介
例1:Aさん(日本人男性)とBさん(外国籍配偶者)は子どもがおらず、2人だけで生活しています。夫婦は共働きで、収入や納税・社会保険の記録にも問題はありません。更新時には同居や家計の安定、納税実績が証明できたため、問題なく3年更新が許可されました。
例2:Cさん(日本人女性)とDさん(外国籍配偶者)は小学生の子どもが1人います。配偶者の更新申請時、子どもの就学状況を確認する資料も提出しました。結果として、家族そろって安定した生活実態が認められ、5年の在留期間が付与されました。
更新時に注意したいポイント
・別居や長期不在、収入の減少など特別な事情がある場合も、状況説明の資料を用意すれば一律で不許可になるわけではありません。
・申請のタイミングは在留期限の3か月前から可能です。
・必要書類(住民票、課税・納税証明、身元保証書、配偶者の情報など)は必ず事前に確認しましょう。
・子どもがいる場合は、学校の在学証明や保険証のコピーなど、実際の家族生活を補強する資料が役立つ場合があります。
まとめ
「配偶者等」の在留資格更新審査において、子どもの有無が直接的な「許可・不許可」を分ける基準になることはありません。ただし、子どもがいる場合は、より家族として日本で安定した生活を営んでいる証拠として、審査上有利に評価される場面もあります。それでも最重要なのは、配偶者との実態ある婚姻生活が続いているか、安定した生計を営んでいるかという基本条件です。申請前には、法務省や出入国在留管理庁の最新ガイドラインを確認し、不安な点があれば専門家に相談しましょう。


