はじめに
高度専門職ビザをもつ外国人の数が増えるにつれて、「配偶者も日本でフルタイムで働けるのか」「家族滞在と何が違うのか」といったご相談が増えています。
そのような場面で重要になるのが、在留資格「特定活動」(高度専門職外国人の就労する配偶者・特別高度人材外国人の就労する配偶者)です。
在留資格選択を誤ると、想定していた仕事に就けない、更新が難しくなるといったリスクもありますので、制度の概要とポイントを押さえておくことが大切です。
在留資格「特定活動」(高度専門職の配偶者)とは
出入国在留管理庁は、「高度専門職外国人の就労する配偶者」および「特別高度人材外国人の就労する配偶者」について、在留資格「特定活動」による受入れ類型を設けています。
これは、高度専門職本人に対する優遇措置の一つとして、配偶者に広い就労の機会を認めるための仕組みです。
外務省も、高度専門職査証の説明の中で、就労する配偶者は「特定活動査証」の対象であると明記しており、高度専門職の家族制度の一部として位置付けています。
家族滞在との違いとメリット
高度専門職の配偶者がとり得る在留資格として、「家族滞在」と「特定活動(高度専門職外国人の就労する配偶者)」の二つが典型的です。
- 家族滞在の場合
- 特定活動(高度専門職の配偶者)の場合
多くの解説では、この特定活動(いわゆる告示33号)が、家族滞在よりも広い就労機会を認める特例的な在留資格として紹介されています。
要件と基本的な注意点
出入国在留管理庁は、この在留資格について、要件や提出書類を別途一覧で公表しています。
主なポイントとして、実務上、次のような点が重視されます。
- 法律上の配偶者であること(事実婚のみでは認められないのが原則とされています)。
- 高度専門職本人(または特別高度人材本人)と同居していることが必要とされ、完全に独立した生活は認められない旨が専門家サイト等で説明されています。
- 配偶者の就労内容が、「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「興行(一定の活動を除く)」の範囲に該当することが求められます。
同居要件や就労内容の範囲が、在留期間の更新可否にも影響し得る点には注意が必要です。
申請時の書類イメージとよくあるパターン
実務では、次のようなイメージの案件が考えられます。
例)
・高度専門職1号(高度専門職イ)で日本企業に勤務するAさん(30代・ITエンジニア)が、海外にいる配偶者Bさんを日本に呼び寄せ、Bさんも日本でフルタイムで働きたいと考えているケース。
このような場合、一般的には次のような流れが想定されます。
- Aさん側の条件
- Bさん側の条件
- 就労予定先に関する資料
なお、出入国在留管理庁の案内でも、「審査の過程において上記以外の資料を求める場合がある」とされており、個別事情によって追加書類が必要になることに留意が必要です。
まとめ
在留資格「特定活動」(高度専門職外国人の就労する配偶者・特別高度人材外国人の就労する配偶者)は、高度専門職制度の優遇措置の一つとして、配偶者にフルタイム就労の機会を与える重要な在留資格です。
一方で、「同居要件」や「就労できる職種の範囲」など、家族滞在とは異なる実務上のポイントがあり、誤った選択や運用は在留継続に影響し得ます。
高度専門職ビザをお持ちの方や、配偶者の在留資格変更を検討されている方は、入管の最新の公表資料を確認しつつ、個々の事情に応じて適切な在留資格を検討することが大切です。


