はじめに
日本で帰化申請を希望するアメリカ国籍の方にとって、「本国証明書(出生証明書や帰化証明書など)の取得」と「その日本語翻訳」は極めて重要なステップです。本記事では、アメリカには日本のような戸籍制度がないことを踏まえ、その代替書類として必要な公的証明書の入手方法、翻訳書類作成時の注意点、そして申請書のフォーム記入や誤記のリスクについて詳しく解説します。
アメリカの戸籍類似文書:出生証明書や帰化証明書
アメリカには日本の「戸籍」に該当する一元的な公的証明書は存在しません。代わりに、以下の書類が「本人の身分関係を証明する書類」として利用されます。
- 出生証明書(Birth Certificate)
州や郡のVital Records Officeで取得できます。両親の名前や出生地が記載されています。申請人本人や関係者が、必要情報(氏名、生年月日、出生地など)を記載しオンラインや郵送で請求できます。 - 帰化証明書(Certificate of Naturalization)
アメリカで帰化した場合、米国移民局(USCIS)で発行されます。再発行もUSCISの公式フォーム(N-565等)で申請可能です。 - 国籍証明書(Certificate of Citizenship)や米国パスポート
国籍を証明する書類としてしばしば要求される文書です。
本国証明書の注文プロセス
出生証明書の取得方法
- 各州のVital Records Officeや、オンラインサービス(例:VitalChek公式)から、出生者の氏名・生年月日・両親の名前などを記載して申請します。アメリカ国外からも取得可能ですが、手続きや手数料に時間がかかる場合があります。
- 必要に応じて「Certified Copy(公式認証付)」で取得しましょう。
帰化証明書・国籍証明書の取得
日本語翻訳の重要性と注意点
アメリカで取得した公的証明書はすべて、そのままでは日本の法務局で使用できません。必ず日本語翻訳書を作成・添付しなければならず、翻訳書には「翻訳者の住所・氏名・翻訳年月日」の明記が求められます。翻訳に不備があると、再提出や許可までの時間が延びることがありますので、専門知識を持った行政書士等へ依頼することが望ましいです。
帰化申請フォーム記入と誤記の注意点
- 書類はA4用紙、修正液や修正テープは不可。誤記の場合は取り消し線で修正します。
- フォームの空欄や曖昧な記載は認められません。特に「出生地」や「住所」等は、書類や住民票と厳密に一致させる必要があります。
- 記載ミスや不明瞭な情報があると、追加の説明や再申請を求められるリスクが高まります。
まとめ
アメリカ人が日本で帰化申請を行う際には、アメリカ特有の事情をふまえて「出生証明書」や「帰化証明書」等の本国証明書を正しく取得し、その内容を正確に日本語翻訳して提出することが不可欠です。フォーム記入や添付書類の細かな記載にも十分注意し、万全の準備を心がけましょう。