ブログ

【特定活動(就職活動)】アルバイトの収入がメインになっていると更新は不利になる?

在留資格・ビザのブログで使用するパスポート画像

留学生が大学や専門学校を卒業後、引き続き日本で就職活動を行う場合に申請できる在留資格のひとつが「特定活動(就職活動)」です。この在留資格は、卒業後に就職先がまだ決まっていない外国人が一定期間、日本で就職活動を継続できるようにするためのものです。

しかし、在留資格の更新時に「アルバイト収入が生活の主な収入源」となっている場合、更新が不利になるケースがあります。本記事では、その理由や注意点を解説します。

「特定活動(就職活動)」とは、大学・大学院・専門学校などを卒業した外国人が、卒業後も日本で引き続き就職活動を行うために認められる在留資格です。根拠は、出入国管理及び難民認定法に基づく法務省告示〔法務省告示第131号・第132号など〕にあります。

対象となるのは、主に以下のいずれかに該当する方です。

  • 日本の大学・大学院を卒業(修了)した者
  • 専門学校を卒業し「専門士」の称号を得た者
  • 短期大学または高等専門学校を卒業した者

通常、在留期間は「6か月」または「1年」で、最長で合計1年まで延長が認められる場合があります。

就職活動を行っている間、生活費を確保するためにアルバイトをすることは一定の条件で認められています。出入国在留管理庁は、「資格外活動許可」を取得すれば、1週間に28時間以内のアルバイトが可能としています。

ただし、この在留資格の本来の目的は「就職活動」であり、「収入を得ること」ではありません。そのため、就職活動の実態が乏しく、むしろアルバイト中心の生活になっていると判断されると、更新が不許可になる可能性が高まります。

特定活動(就職活動)の更新許可において、入管が重視するポイントは次のとおりです。

  • 就職活動の実績(応募企業の数、面接記録、内定状況)
  • 就職活動の方向性(専攻・学歴と関連した職種を目指しているか)
  • 生活状況(アルバイトの収入割合、仕送りの有無など)
  • 将来の見通し(内定予定や活動計画の合理性)

特に「生活状況」の部分で、アルバイト収入が全体の大部分を占めていると、「本当に就職活動を行っているのか」という疑念を持たれやすくなります。このため、申請書には就職活動の証明(応募記録、企業説明会への参加証明など)を添付することが重要です。

例として、外国人留学生のリナさんは、大学卒業後に特定活動(就職活動)で6か月の在留を得ました。しかし、その間に応募企業が少なく、週5日のアルバイトが収入の中心になっていました。更新申請時、「就職活動が不十分」とされ、更新が不許可になってしまいました。

一方で、同じようにアルバイトをしていた別の学生でも、多くの企業に応募し、面接やセミナーにも積極的に参加していた場合、更新が許可されるケースがありました。このように、同じ「アルバイト中心」に見えても、就職活動の実績が重視されることが分かります。

就職活動中に生活費を得ること自体は問題ありません。しかし、主目的である「就職活動」の活動内容を証明できない状態でアルバイト比率が高いと、入管では不利な判断につながるおそれがあります。

そのため、以下の点に注意しましょう。

  • 応募履歴・説明会参加証の記録を残す
  • 将来の就職希望分野を明確にしておく
  • 生活費は仕送りや貯金など複数の収入源でまかなう
  • アルバイト時間は週28時間以内を厳守する

特定活動(就職活動)は、卒業後に日本での就職を目指す外国人にとって重要な在留資格です。しかし、就職活動の実態が伴わず、アルバイト収入が生活の中心となっている場合は、更新が不利になることがあります。

更新の成功には、「就職活動を継続的・計画的に行っている」という事実を客観的に示すことが大切です。活動記録や応募履歴を丁寧に整えておくことが、更新許可につながる最大のポイントです。

関連記事

  1. 在留資格・ビザのブログで使用するパスポート画像 特定活動46号で転職先の業種が違っても大丈夫?在留資格変更が必要…
  2. 在留資格・ビザのブログで使用するパスポート画像 特定活動(継続就職活動)で内定取り消しになったら?申請が許可され…
  3. 在留資格・ビザのブログで使用するパスポート画像 特定活動46号は1年未満の雇用契約でも在留期間の更新はできる?在…
  4. 在留資格・ビザのブログで使用するパスポート画像 【特定活動(就職活動)】卒業後の就職活動が長引いた場合、在留資格…

最近の記事

  1. 在留資格・ビザのブログで使用するパスポート画像
  2. 在留資格・ビザのブログで使用するパスポート画像
  3. 在留資格・ビザのブログで使用するパスポート画像
  4. 在留資格・ビザのブログで使用するパスポート画像
  5. 在留資格・ビザのブログで使用するパスポート画像
PAGE TOP