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勤務先が変わった直後の「技能」ビザ更新申請は危険?転職時の注意点を行政書士が解説

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在留資格「技能」は、外国料理の調理師や自動車整備士、スポーツ指導者など、産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を持つ方が日本で働くための就労ビザです。
一方で、「転職してすぐに在留期間更新を申請しても大丈夫なのか」「勤務先が変わったばかりだと不許可になるのではないか」と不安を感じている方も多いです。

この記事では、「勤務先が変わった直後」に在留資格「技能」の在留期間更新を行う際のリスクと注意点を、公的情報や実務上よくある相談内容をもとにわかりやすく解説します。

在留資格「技能」は、産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの就労資格で、料理人、スポーツ指導者、航空機整備士、貴金属加工技術者などが代表的な職種です。
法務省所管の制度説明では、「技能」は日本で就労が認められる在留資格の一つとして位置付けられ、在留期間は5年、3年、1年、3か月などが付与されます。

「技能」を含む就労系の在留資格を持つ中長期在留者は、退職や転職により契約先の機関が変わった場合、「所属機関に関する届出」を14日以内に出入国在留管理庁長官に届け出る義務があります。
入管法第19条の16では、「研究」「技術・人文知識・国際業務」「介護」「興行」「技能」「特定技能」などの在留資格について、契約の終了や新たな契約の締結があったときは14日以内に届出が必要と規定されています。

この届出は、インターネット(オンライン)、郵送、または地方出入国在留管理局の窓口で行うことが可能で、本人のほか雇用主や取次行政書士が提出することもできます。
届出を怠った場合は、罰則や在留資格取消しの対象となり得るため、転職後は速やかに手続を行うことが重要です。

勤務先が変わった直後に「技能」の在留期間更新を申請すると、「就労実態」と「在留資格の要件」が十分に確認できないとして、審査が慎重になりやすい傾向があります。
とくに以下の点が問題になることが多いです。

  • 新しい勤務先での業務内容が、本当に「技能」の在留資格に該当するかどうか
  • 新勤務先での収入(給与水準)が安定しているか、生活維持が可能か
  • 雇用契約が継続的・安定的なものと言えるかどうか

就労ビザ全般について、更新時には在留カードの有効期限だけでなく、「転職した場合は職務内容と契約内容をチェックすること」が重要とされており、転職によって在留資格の範囲外の業務に移っていないかどうかも確認されます。

在留資格「技能」は、「産業上の特殊な分野に属する熟練した技能」を前提としているため、転職により業務内容が大きく変わると、在留資格との整合性が問題になります。
たとえば外国料理店の調理師として在留資格「技能」を取得した方が、転職後に接客中心のホール業務や単純な仕込み作業のみを行っている場合、「熟練技能を活かした業務」と言えるかどうかが問われます。

実務上も、「技術・人文知識・国際業務」など他の就労資格については、転職後にビザ要件に合わない業務に従事すると更新不許可や在留資格取消しのリスクがあるとされており、「技能」についても同様に、職務内容の適合性は重要な審査ポイントです。

ここでは、あくまで一般的なイメージとして、誤解を招かないよう実在の事例を避けたモデルケースを紹介します。

  • Aさん:在留資格「技能」(外国料理の調理師)、3年の在留期間
  • 前職:外国料理レストランで3年間コックとして勤務
  • 在留期間満了まで残り4か月の時点で、新しいレストランに転職
  • 転職から1か月後に在留期間更新を申請

この場合、審査官は次のような点を確認すると考えられます。

  • 新しい勤務先でも、メイン業務が調理であり、熟練技能を要するか
  • 雇用契約書に記載された給与額・労働条件が適正か
  • 社会保険や税金の扱いが適切か

前職での就労実績とあわせて、新勤務先での就労体制が確認できれば、転職直後であっても必ずしも不許可になるとは限りません。
しかし、雇用契約書の内容が曖昧であったり、実際の業務がビザ要件から外れていると判断される場合には、更新不許可のリスクが高まります。

勤務先が変わった直後に「技能」の更新を行う場合、以下のような書類をできるだけ丁寧に整えておくことが望ましいです。

  • 在留期間更新許可申請書
  • 新しい勤務先の雇用契約書または労働条件通知書
  • 新勤務先の在職証明書
  • 給与見込みまたは直近の給与明細
  • 納税証明書や課税証明書(前職も含めた収入状況の確認)
  • 社会保険加入を示す書類(健康保険・厚生年金など)

就労ビザの更新全般において、納税状況や社会保険の加入状況は審査で重視されるポイントとされており、出入国在留管理庁の案内でも、所得や納税状況に問題がある場合は更新が認められない可能性があるとされています。

勤務先が変わった直後に更新申請せざるを得ない場合、次の点を意識すると、不許可リスクの低減につながります。

  1. 所属機関の届出を必ず済ませておくこと
     退職・転職から14日以内の「所属機関に関する届出」が行われていないと、在留資格取消しや更新不許可の理由になり得ます。
  2. 新しい業務内容が「技能」の要件に合うかを事前確認すること
     求人票や雇用契約書の職務内容が、熟練技能を要する業務として説明できるかどうかをチェックしておくことが重要です。
  3. 収入水準と雇用の安定性を示す資料を補強すること
     給与水準が低すぎる場合や契約期間が極端に短い場合、生活基盤が不安定と判断されるおそれがありますので、就労実態を補強する資料を用意しておくと安心です。

在留期間の残りが少ない状態で転職を検討する場合、更新申請のタイミングも含めて慎重にスケジュールを組むことが望ましいです。
在留期間更新は、原則として在留期間満了日の3か月前から申請が可能とされているため、場合によっては「先に更新を済ませてから転職する」という選択肢も検討の余地があります。

もっとも、実際には業界の人手不足や雇用条件の変化などにより、希望どおりのタイミングで転職できないことも多いため、個別の事情に応じて、転職前後の届出・更新・在留資格の適合性を総合的に検討する必要があります。

在留資格「技能」で勤務先が変わった直後の在留期間更新申請は、「危険=必ず不許可」という意味ではありませんが、通常よりも審査が慎重になりやすい場面です。
転職に伴う「所属機関に関する届出」を14日以内に行うこと、新しい勤務先での業務内容が「技能」の要件に適合していること、収入や雇用の安定性を資料で説明できることが、更新許可を目指すうえでの重要なポイントとなります。

在留期間の残りが少ない状態で転職を検討している場合には、更新のタイミングや在留資格の適合性を含めて慎重に計画を立て、必要に応じて専門家に相談しながら手続を進めることをおすすめします。

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