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公正証書遺言の証人は誰に頼める?親族・相続人・専門家が証人になれないケースを解説

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公正証書遺言を作成する際には、遺言者と公証人だけでなく、原則として証人2人以上の立会いが必要です。証人は、遺言者が自らの意思で遺言内容を述べ、所定の手続に従って公正証書遺言が作成されたことを確認する重要な立場にあります。

もっとも、「親族なら信頼できるから」「相続の事情をよく知っているから」と考えて依頼した人が、法律上は証人になれないことがあります。証人の選び方を誤ると、手続が進められなかったり、後日の紛争で遺言の有効性が問題になったりするおそれがあります。

この記事では、公正証書遺言の証人を誰に頼めるのか、親族・相続人・受遺者・専門家が証人になれないケースをわかりやすく解説します。

公正証書遺言は、遺言者が公証人に遺言の趣旨を伝え、公証人がその内容を公正証書として作成する方式です。作成時には、証人2人以上が立ち会わなければなりません。

証人は単にその場に同席するだけの人ではありません。公証人が作成した内容を遺言者とともに確認し、内容に間違いがないことを承認したうえで、署名・押印を行います。遺言者本人の真意に基づき、適正な手続で遺言が作成されたことを支える役割です。

なお、証人には遺言内容を知ることになります。そのため、遺言の内容を家族に知られたくない場合や、親族間の感情的な対立が予想される場合には、守秘性にも配慮して依頼先を選ぶことが大切です。

民法では、遺言について利害関係を持つ人や、公証人側と特別な関係にある人は、証人または立会人になれないと定めています。主な証人欠格者は、次のとおりです。

未成年者

18歳未満の未成年者は、公正証書遺言の証人になることができません。

たとえば、遺言者の孫がしっかりしていて、遺言者の意思をよく理解していたとしても、未成年であれば証人にはなれません。親権者が同意していても同様です。

推定相続人と受遺者

推定相続人とは、遺言者が亡くなった場合に、現時点の家族関係を前提として相続人になると見込まれる人です。配偶者や子が典型例ですが、子がいない場合には父母、父母もいない場合には兄弟姉妹が推定相続人となることがあります。

また、遺言によって財産を受け取る「受遺者」も、証人になることはできません。相続人でなくても、「長女に自宅を遺贈する」「知人に預貯金の一部を遺贈する」と記載され、その利益を受ける人は受遺者に当たります。

推定相続人・受遺者の配偶者と直系血族

証人になれない範囲は、推定相続人や受遺者本人に限られません。その配偶者および直系血族も証人になれません。直系血族とは、父母・祖父母などの直系尊属、子・孫などの直系卑属を指します。

たとえば、遺言者の長男が推定相続人である場合、長男本人のほか、長男の妻、長男の子も証人にはなれません。一方で、原則として兄弟姉妹、甥、姪、いとこなどは「直系血族」ではありません。ただし、その人自身が推定相続人・受遺者に当たる場合や、遺言内容によって利害関係が生じる場合には別途確認が必要です。

公証人の配偶者・親族・書記・使用人

遺言作成を担当する公証人の配偶者、四親等内の親族、書記および使用人も証人にはなれません。これは、公証人側の関係者が証人を兼ねることを避け、手続の公正さを確保するためです。

「親族は全員証人になれない」と思われがちですが、法律上、すべての親族が一律に除外されるわけではありません。

重要なのは、その親族が推定相続人・受遺者に当たるか、その人たちの配偶者または直系血族に当たるかです。たとえば、相続人にならない親族で、受遺者でもなく、推定相続人や受遺者の配偶者・直系血族でもなければ、法律上は証人になれる余地があります。

ただし、法律上可能であっても、親族を証人にすることが常に適切とは限りません。相続開始後に「その親族が遺言内容に影響を与えたのではないか」と疑われると、相続人間の不信感や紛争につながることがあります。遺言内容が特定の家族に偏る場合や、すでに家族関係が複雑な場合には、利害関係のない第三者を選ぶほうが安心です。

公正証書遺言の証人は、行政書士、弁護士、司法書士、税理士などの専門家に依頼することもできます。特別な資格がなければ証人になれないわけではありませんが、遺言・相続に詳しい専門家へ依頼すれば、証人資格の確認、必要書類の整理、公証役場との事前調整などを進めやすくなります。

ただし、専門家であっても、その人が遺言によって財産を受け取る受遺者である場合や、受遺者・推定相続人の配偶者または直系血族である場合には、証人になれません。また、遺言執行者に指定される予定の専門家については、証人になれるかどうかを含め、遺言内容や依頼関係を踏まえて事前に確認しておくことが重要です。

証人を依頼する際は、遺言者の氏名、生年月日、住所、家族関係、財産を受け取る予定の人を事前に伝え、証人欠格事由がないかを確認してもらいましょう。

たとえば、妻と長男・次男がいる72歳の方が、「自宅は長男に相続させたい」と考え、公正証書遺言を作成する場面を考えてみましょう。この場合、妻と長男・次男は推定相続人であるため、証人にはなれません。さらに、長男の妻や長男の子も、長男の配偶者・直系血族に当たるため証人にはなれません。

「財産をもらわない次男なら問題ない」と考えがちですが、次男は法定相続人であり推定相続人ですので、遺言で財産を取得しない内容であっても証人にはなれません。

証人候補者を決める前に、誰が相続人となるのか、誰に何を遺すのかを整理することが必要です。特に、前婚の子、認知した子、代襲相続人、相続放棄を予定している親族などが関係する場合は、見た目の家族関係だけで判断しないほうが安全です。

公正証書遺言には、原則として証人2人以上が必要です。

未成年者、推定相続人、受遺者、これらの配偶者・直系血族、公証人の配偶者や一定範囲の親族、書記・使用人は証人になれません。親族であっても証人になれる場合はありますが、相続後の紛争を予防する観点では、利害関係のない第三者または相続実務に詳しい専門家へ依頼する方法が有力です。

公正証書遺言は、内容だけでなく作成手続の適正さも重要です。証人の選定は後回しにせず、遺言内容と家族関係を整理した段階で、早めに確認しておきましょう。

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