はじめに
永住許可申請は外国人にとって重要な手続きですが、申請中に転職を考えている方も多いでしょう。しかし、転職は永住許可申請の審査に影響を与える可能性があります。本記事では、永住許可申請中の転職が審査に与える影響と、その対処法について詳しく解説します。
永住許可申請中の転職は審査に悪影響を与えるのか?
結論から言えば、永住許可申請中の転職は審査に悪影響を与える可能性があります。その理由は主に以下の3点です。
- 収入の安定性への疑問
- 就労の継続性への懸念
- 在留資格との整合性の問題
1. 収入の安定性への疑問
永住許可申請では、申請者が「独立した生計を営む資産や技能がある」ことが重要な審査ポイントとなります。転職によって収入が大きく減少する場合、安定した収入を維持できないと判断される可能性があります。
2. 就労の継続性への懸念
転職直後は新しい職場での就労が安定しているかどうかの判断が難しくなります。そのため、審査官は申請者の就労の継続性に疑問を持つ可能性があります。
3. 在留資格との整合性の問題
転職後の職務内容が現在の在留資格と合致しない場合、不法就労とみなされる可能性があります。これは永住許可申請にとって非常に不利な要素となります。
永住許可申請中に転職する場合の対処法
やむを得ず永住許可申請中に転職する場合は、以下の対処法を考慮してください。
1. 転職の理由を明確に説明する
転職の理由を明確に説明し、キャリアアップや収入増加など、ポジティブな側面を強調することが重要です。
2. 就労資格証明書の取得
転職後の職務内容が現在の在留資格に合致することを証明するため、就労資格証明書を取得することをおすすめします。
3. 所属機関に関する届出を忘れずに
転職後14日以内に「所属機関に関する届出」を出入国在留管理局に提出することが法律で義務付けられています。この届出を怠ると、永住許可申請に悪影響を与える可能性があります。
4. 社会保険等の手続きを適切に行う
転職に伴う社会保険や年金の手続きを適切に行うことも重要です。これらの手続きの不備は、永住許可申請の審査でマイナス要素となる可能性があります。
5. 転職後の安定性を示す資料の準備
転職後の雇用契約書や給与明細など、新しい職場での就労が安定していることを示す資料を準備しましょう。
永住許可申請に有利な転職とは?
転職が必ずしも永住許可申請に不利になるわけではありません。以下のような転職は、むしろ申請に有利に働く可能性があります。
- 年収が大幅に増加する転職
- 契約社員から正社員への転職
- より大規模な上場企業への転職
- 専門性の高い職種への転職
例えば、年収500万円の会社員Aさん(32歳)が、年収700万円の正社員ポジションに転職するケースは、永住許可申請にプラスの影響を与える可能性が高いでしょう。
高度人材ポイント制を利用した永住許可申請
高度人材ポイント制を利用すると、永住許可申請に必要な在留期間が短縮される可能性があります。
- 70点以上:3年の在留で永住許可申請可能
- 80点以上:1年の在留で永住許可申請可能
高度人材ポイント制を利用する場合、転職によってポイントが増加するのであれば、永住許可申請にプラスの影響を与える可能性があります。
まとめ
永住許可申請中の転職は、審査に悪影響を与える可能性があるため、可能であれば避けるべきです。しかし、やむを得ず転職する場合は、以下の点に注意しましょう。
- 転職の理由を明確に説明する
- 就労資格証明書を取得する
- 所属機関に関する届出を忘れずに行う
- 社会保険等の手続きを適切に行う
- 転職後の安定性を示す資料を準備する
また、年収の増加や正社員化など、キャリアアップにつながる転職であれば、永住許可申請にプラスの影響を与える可能性もあります。高度人材ポイント制の利用も検討に値するでしょう。永住許可申請は複雑な手続きであり、個々の状況によって対応が異なります。不安な点がある場合は、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。