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特定活動46号は1年未満の雇用契約でも在留期間の更新はできる?在留資格更新のポイントを解説

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特定活動(告示46号)は、日本の大学や大学院等を卒業した高度外国人材を、幅広い業種・職種で受け入れるために創設された在留資格です。
一方で、実務上よくあるのが「会社側の雇用契約期間が6か月更新なのですが、在留期間更新は大丈夫でしょうか?」という質問です。
この記事では、法務省告示や出入国在留管理庁の公表情報を前提に、「雇用契約が1年未満でも特定活動46号の在留期間更新は可能なのか」という点を、実務的な視点で整理して解説します。

特定活動46号は、「本邦の大学等を卒業した者」が日本語能力や学修成果の活用等の要件を満たしたうえで、日本国内の公私の機関との契約に基づき常勤職員として従事する活動を対象とする在留資格です。
対象となる学歴や日本語能力、学修成果の活用等の要件は、法務省告示(平成2年法務省告示第131号・第46号)および別表十一に詳細に規定されています。
在留期間は「5年、3年、1年、6月、3月又は5年を超えない範囲で法務大臣が個々に指定する期間」とされており、更新も可能な仕組みになっています。

入管法上、「在留期間」と「雇用契約期間」は別の概念であり、在留期間が必ず契約期間と同じ長さでなければならないという規定は置かれていません。
実務上も、更新時の在留期間は、雇用契約期間、事業の継続性、活動内容、素行・納税状況等を総合的に判断して付与されるとされており、「契約6か月=在留6か月」と機械的に決まるわけではありません。
もっとも、雇用契約期間が短い場合には、「活動の継続性」に対する審査が相対的に厳しくなる傾向があるため、更新可否や付与期間に影響し得る点には注意が必要です。

たとえば、卒業後に特定活動46号で採用された外国人が、6か月更新の有期雇用契約で働きつつ、実際には数年単位で雇用継続が見込まれているようなケースが想定されます。
このような場合でも、次のような事情が書面で裏付けられれば、6か月契約であっても在留期間更新が認められ、1年又はそれ以上の在留期間が付与される可能性は十分にあります。

  • 就業実績が良好で、契約更新を前提とした雇用であることが会社側資料から読み取れること。
  • 会社の事業が安定しており、継続的な人材需要があること(決算書や事業計画等で説明)。
  • 特定活動46号の要件(学歴、日本語能力、報酬水準、学修成果の活用)が引き続き満たされていること。

一方で、6か月や3か月といった短期契約であっても、更新の見込みが不透明な「試験採用」「短期プロジェクトのみ」などのケースでは、在留資格上の活動が短期で終了するリスクがあります。
活動の継続性が乏しい場合、在留期間更新申請を行っても、短い在留期間しか付与されない、もしくは更新自体が難しいと判断される可能性があります。
特に、収入水準が日本人同等以上に達していない、勤務日数が極端に少ないといった事情が重なると、特定活動46号の要件そのものを満たさないと判断されるおそれがあるため注意が必要です。

在留期間更新許可申請では、雇用契約期間だけでなく、次のような点が総合的に確認されます。

  • 報酬水準:日本人が従事する場合と同等額以上の報酬が支払われているか。
  • 業務内容:学修成果を活用する業務であり、告示46号の指定活動に合致しているか。
  • 事業の継続性:受入機関の財務状況・事業実態に問題がないか。
  • 義務履行:住民税・社会保険等の納付、届出義務の履行状況が適切か。

したがって、「1年未満の契約だから更新できない」という形式的な判断ではなく、「その条件の下で今後も適法な活動が継続されるかどうか」が審査の中心となります。

企業側としては、在留期間更新を見据えて、短期更新契約であっても「更新を前提とした雇用」であることを、労働条件通知書や雇用契約書の記載、社内規程等で丁寧に説明しておくことが重要です。
また、業務内容が特定活動46号の指定内容と一致していることを示す職務記述書(ジョブディスクリプション)や、学修成果の活用を説明する書面を用意しておくことで、更新審査での説得力が高まります。
外国人本人側でも、課税・納税証明書や社会保険の加入状況など、生活基盤が安定していることを裏付ける資料を漏れなく提出することが望ましいです。

例として、Aさん(日本の大学卒業・日本語能力試験N1)は、地方の小売業を営む企業に特定活動46号で採用され、初年度は6か月ごとの有期契約でレジ・接客のほか、商品企画や多言語対応などを担当しているとします。
この企業が、決算書からも一定の安定性が確認でき、Aさんの評価も良好で、実際には長期雇用を予定しているといった事情を、契約書・会社説明資料等で明らかにできれば、6か月ごとの契約であっても在留期間更新が認められる余地は十分にあります。
もっとも、この事例はあくまで一般的なイメージであり、実際の可否や付与期間は個々の事情と審査結果によって異なりますので、具体的な案件ごとに専門家へ確認されることをおすすめします。

1年未満契約の場合、急な事業不振や組織再編により「次回の契約更新ができない」となると、その時点で在留資格上の活動継続が困難になります。
そのため、企業側は、採用時から「中長期的な雇用計画」と「在留資格上の要件」をセットで検討し、単に短期の欠員補充として外国人材を受け入れるのではなく、人材育成・キャリア形成を前提とした受入れを行うことが重要です。
外国人本人も、更新の都度、契約更新の見込みやキャリアプランを企業と共有し、在留資格の変更(例:他の就労系在留資格への変更や、将来的な永住申請の可能性)も視野に入れて検討することが望ましいです。

特定活動46号では、「在留期間=雇用契約期間」でなければならないというルールはなく、1年未満の雇用契約であっても、要件を満たし活動の継続性が認められれば在留期間更新は可能です。
もっとも、短期契約は「活動が短期で終了するリスク」や「継続性に対する審査の厳格化」につながりやすいため、雇用側・本人側ともに、契約内容・業務内容・会社の事業継続性・納税状況などを丁寧に整えたうえで更新申請に臨むことが重要です。
特定活動46号の運用は、法務省告示や出入国在留管理庁の方針、個別の事案によって判断が分かれることも多いため、具体的な事案については、最新の公的情報を確認しつつ、専門家への相談も併せて検討されると安心です。

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