はじめに
永住許可の申請を考えている方の中には、「日本に10年以上住んでいるのに、海外出張が多いと審査に影響するの?」と不安を感じる方が少なくありません。実は、年間の出国日数が多くなると「継続的な滞在」とみなされず、申請が難しくなるケースがあります。本記事では、法務省のガイドラインを基に、海外出張歴が永住許可申請に及ぼす影響と対策を詳しく解説します。
永住許可申請の基本要件(令和6年11月改訂版)
出入国在留管理庁が定める永住許可の3大要件は次の通りです:
- 素行善良要件
- 罰金刑や懲役刑を受けていない
- 年金・保険料の未納がない
- 独立生計要件
- 単身者で年収300万円以上が目安
- 預貯金や不動産など資産の保有
- 国益適合要件
- 10年以上の継続滞在(うち就労資格で5年以上)
- 最長在留期間(3年または5年)のビザ保持
特に注目すべきは「10年以上の継続滞在」の解釈です。単に在留資格が途切れていないだけでなく、「生活の本拠が日本にある」ことが求められます。
海外出張が多い場合の審査リスク
出国日数の目安
- 年間100日未満:通常問題なし
- 年間120-150日:追加説明が必要
- 年間180日以上:原則不許可
具体例:
- 1回の出国が3ヶ月超
- 年間合計で半年以上海外滞在
これらのケースでは、生活基盤が海外にあると判断されるリスクが高まります。
出張が多い方が取るべき4つの対策
1. 滞在状況の証明
- 住民票:海外転出歴がないこと
- 課税証明書:日本での納税記録
- 雇用契約書:日本企業との継続的な雇用関係
2. 出張理由の立証
- 出張命令書:会社の正式な業務指示
- 派遣期間の明記:「2024年4月-6月:シンガポール支社勤務」など具体性が重要
3. タイミング調整
- 出張頻度が減少する時期を見計らって申請
- 高度人材ポイント制度の活用(要件緩和あり)
4. 専門家との相談
- 出国日数が年間120日を超える場合
- 複数回国際転勤があるケース
よくある事例Q&A
Q. 5年間毎月1週間の出張(年間60日)は問題ですか?
→ 継続性が認められれば許可可能性が高いです。ただし、出張目的と業務内容を説明する書類を添付しましょう。
Q. 3ヶ月の海外研修後に永住申請できますか?
→ 研修が単発で、その後日本に居住基盤を維持している場合は可能。住民税の納付記録が重要です。
申請準備チェックリスト
- 過去5年分のパスポート(出入国スタンプ確認)
- 会社発行の出張実績報告書
- 住民税納付証明書(市区町村発行)
- 健康保険被保険者証の写し
- 預金残高証明書(300万円以上が目安)
まとめ
永住許可申請において、「10年以上の滞在」は単なる日数計算ではなく、日本での生活実態が問われます。海外出張が多い方は:
- 年間出国日数が100日を超える場合は専門家に相談
- 会社の正式な出張証明書を必ず準備
- 住民票/納税記録で日本との継続的な結びつきを証明
法務省の最新ガイドラインでは、「やむを得ない事情による出国」は考慮されると明記されています。適切な書類準備で、永住許可の可能性を高めましょう。