はじめに
近年、国際結婚が増える中で「配偶者ビザ(在留資格『日本人の配偶者等』)」を取得した方が、仕事や家族の事情で長期間海外に赴くケースが増えています。そこで多くの方から、「長期の海外滞在経験があると、更新時に不利にならないか?」とご相談を受けます。本記事では、最新の法務省など公的情報をもとに、配偶者等ビザの更新と長期海外滞在について詳しく解説します。
配偶者等ビザ更新審査の基本ポイント
配偶者等ビザの更新には、以下の点が重視されます。
必ずしも「同居」が法的義務ではない
入管法や法務省令において、「夫婦が常に同居していなければならない」との明文規定はありません。実際の審査でも、一時的に別居や長期海外滞在があっても「やむを得ない理由」が丁寧に説明されていれば、直ちに不許可となることはありません。
たとえば、
- 海外赴任や出張
- 留学や研究活動
- 介護や里帰り出産
などは正当な理由とされます。現に法務省の審査要領でも、「合理的な説明があり、将来的に夫婦が再び共同生活を営む意志が確認できれば、在留継続が認められる」と明記されています。
長期海外滞在が「不利」になるケース
ただし、以下のような場合には注意が必要です。
審査官は「現在も実態ある夫婦関係か」「生活実態が日本にあるか」を重視しますので、「仕事で海外長期滞在→期間終了後に日本に戻る予定」「定期的な連絡や経済支援の証拠」など、事情説明や証拠資料の提出が不可欠です。
更新時に求められる主な資料
特に「合理的な理由」の説明と「夫婦関係が継続している客観的証拠」がある場合、長期海外滞在は必ずしも不利にはなりません。
事例
例えば、「妻が海外転勤で2年間中国に赴任。夫は日本で仕事を継続。毎月送金とオンライン通話実施、長期休暇時はお互い訪問」のようなケースは、「長期別居」にはあたるものの、適切な理由と婚姻継続の証拠があれば、更新が認められた事例が報告されています。ただし期間の長短や頻度、将来的な同居意思によって評価が異なるため、個別の事情説明が重要です。
みなし再入国許可との関係
長期海外滞在時は「みなし再入国許可(1年間有効)」の利用が一般的ですが、在留期限内・再入国許可期限内に必ず日本へ戻る必要があります。期限を超えて帰国できない場合、在留資格自体を喪失してしまうため、注意が必要です。
まとめ
在留資格「日本人の配偶者等」で長期海外滞在をされた場合でも、「理由が合理的で夫婦関係が継続していることを立証できれば、原則として更新が不利になることはありません」。ただし、事情の説明不足や実態のない別居、生活の拠点不明などでは更新に影響が生じる可能性があります。長期滞在を予定される場合は、必ず理由や証拠を整理し、入念な準備を行ってください。不安があれば専門家へご相談いただくことをおすすめします。



