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【特定活動(看護師試験受験)】国家試験に不合格でも在留資格を更新できる条件とは?

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経済連携協定(EPA)に基づき来日した看護師候補者は、「特定活動(EPA看護師候補者)」の在留資格で病院等に勤務しながら、日本の看護師国家試験の合格を目指します。
しかし、最終年度の国家試験に不合格となった場合、「すぐに帰国しなければならないのか」「在留資格を更新して再受験できるのか」という不安を抱く方も少なくありません。
この記事では、国家試験不合格の場合における「特定活動(看護師試験受験)」の更新や、その後も日本に在留し続けるための主な条件・選択肢について、公的情報をもとに解説します。

EPAに基づく外国人看護師候補者は、来日後、指定病院等で就労しながら国家試験合格を目指すため、「特定活動」の在留資格で在留します。
総務省・厚生労働省の資料によると、EPA看護師候補者の在留期間は原則として通算3年とされ、その間に日本語研修や現場研修、国家試験受験の機会が与えられます。
この在留資格の英語表記は、出入国在留管理庁の区分上「特定活動(EPA看護師候補者)」とされ、「在留資格『特定活動』」の一類型として位置付けられています。

厚生労働省の案内では、EPA看護師候補者が滞在最終年度の国家試験に不合格となった場合、原則として協定に基づく候補者としての滞在を終了し、帰国する扱いになると明記されています。
総務省の資料でも、「日本語の継続学習 → 国家試験受験 → 不合格(資格不取得)→ 帰国」という流れが示されており、在留資格「特定活動(EPA看護師候補者)」のまま長期的に再受験を続けることは予定されていません。
そのため、「特定活動(EPA看護師候補者)」としての在留期間更新は原則、定められた最長在留年数(通常3年)を超えて認められず、最終年度で不合格となった場合は、そのまま同じ在留資格で更新することは困難と考えるべきです。

もっとも、EPA関連の実務では、最終年度に不合格となった候補者について、一定の条件のもとで「特例候補者」として追加の滞在機会が設けられる枠が案内されています。
厚生労働省所管団体の手引きでは、滞在最終年度に不合格となった看護師候補者の一部が、協定外の枠として一定期間の再受験チャンスを認められる制度(特例候補者枠)が記載されており、ここに該当する場合には追加の在留が検討されます。
ただし、この特例は人数・条件が限定されるうえ、毎年度の受入れ方針や二国間協定の運用に左右されるため、すべての不合格者に自動的に適用されるわけではなく、所属病院・受入れ機関・JICWELS等の関係機関から具体的な説明を受ける必要があります。

EPA候補者としての在留期間が満了した後も、条件を満たせば「特定活動」以外の在留資格に変更して、日本に在留を継続することが可能とされています。
JICWELSのガイドでは、EPA候補者が在留資格を「特定活動(EPA看護師候補者)」以外(例:特定技能1号、日本人の配偶者等など)に変更し、引き続き日本に在留しながら国家試験を受験することも制度上は可能とされている旨が示されています。
また、別資料では、准看護師免許を取得したものの看護師国家試験に不合格だったEPA看護師候補者が、「医療」の在留資格に変更し、准看護師として就労を続けるケースが挙げられており、在留資格変更により日本での就労と将来の再受験を両立する道も紹介されています。

不合格後に日本での在留継続を目指す場合、次のような点が重視されます。
・在留期間内の勤務状況が良好であり、受入医療機関からの評価が高いこと(勤務成績・出勤状況・指導記録など)。
・今後も就労を継続できる雇用契約や内定があり、生活基盤が安定していること(給与水準・勤務時間・社会保険加入状況など)。
・在留資格を変更する先(例:医療、特定技能、日本人の配偶者等など)の要件を満たしていること。例えば「医療」なら准看護師資格・勤務内容、「特定技能」なら分野ごとの技能試験や日本語試験合格などが必要です。
これらを総合的に満たしていれば、EPA候補者としての在留は終了しても、別の在留資格に切り替えて日本に残る道が開ける可能性があります。

国家試験に不合格となった場合、考えられる主な選択肢は次のとおりです。

  1. 一度帰国し、短期滞在で再来日して国家試験を受験する
    厚労省資料では、帰国後も「短期滞在」の在留資格で再入国して国家試験を受験することが可能とされています。
    この場合、日本での長期就労はできませんが、「短期滞在」で来日し、試験受験のみを目的として滞在する形となります。
  2. 他の在留資格に変更して日本に残り、就労と再受験を並行する
    先述のとおり、准看護師などの資格があれば「医療」、他分野の技能・日本語要件を満たせば「特定技能」などへの変更が検討できます。
    また、日本人配偶者がいる場合は「日本人の配偶者等」、他の身分関係がある場合は「定住者」など、身分系在留資格への変更が可能なケースもあります。
  3. 特例候補者枠などでの追加滞在が認められるか受入機関に確認する
    特例候補者として追加の滞在が認められるかどうかは、毎年度の運用や病院側の意向にも左右されるため、受入病院や調整機関(JICWELSなど)を通じて個別に確認する必要があります。

例:フィリピン出身のAさん(看護師候補者)は、特定活動(EPA看護師候補者)で3年間、地方病院に勤務しながら国家試験に挑戦しましたが、最終年度の試験で不合格となりました。
Aさんは在留期間満了後、一度母国へ帰国しましたが、その後「短期滞在」で再来日し、翌年の国家試験を受験しました。

一方、インドネシア出身のBさんは、滞在中に准看護師免許を取得していたため、病院と相談した結果、在留資格を「医療」に変更して准看護師として就労を続けつつ、次回の看護師国家試験受験を目指すこととなりました。
このように、不合格となった場合でも、保有資格や雇用状況によって取り得る選択肢は異なります。

・「特定活動(EPA看護師候補者)」としての在留は、協定で定められた通算在留期間内で国家試験合格を目指す前提であり、最終年度に不合格となった後、同じ資格のまま長期に更新し続けることは原則想定されていません。
・ただし、特例候補者枠などにより追加の滞在が認められるケースや、准看護師資格・他分野の資格等を活かして「医療」「特定技能」「日本人の配偶者等」など別の在留資格へ変更し、就労と再受験を並行するルートも存在します。
・いずれの場合も、受入病院・調整機関・出入国在留管理局の最新の運用を確認しつつ、自身の資格・家族状況・将来計画に応じた最適な方針を検討することが重要です。
国家試験不合格=即座に日本での将来が閉ざされる、というわけではありませんが、在留資格の更新・変更には厳格な要件があります。個々の状況に応じた戦略を立てるためにも、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

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