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建設業許可の専任技術者とは?要件と10年実務経験の具体的な証明方法をわかりやすく解説

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建設業許可のご相談で、必ずといってよいほど話題になるのが「専任技術者」の要件と「実務経験の証明」です。
資格はないが現場経験は長い、昔の資料が手元に少ない、といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、国土交通省など公的機関の情報を踏まえながら、専任技術者の基本要件と、実務経験による専任技術者要件の証明方法について、建設業許可専門の行政書士がブログ向けにわかりやすく整理してご紹介します。

専任技術者とは、建設業許可を受けるために、営業所ごとに「常勤」で配置しなければならない技術者のことです。
建設業法に基づき、一定の国家資格や実務経験を有する者だけが専任技術者になれるとされています。

専任技術者は、営業所で工事の内容や見積の妥当性を確認し、技術的な裏付けに基づいた営業ができるように役割を果たす存在です。
現場で配置される主任技術者・監理技術者とは役割が異なり、「営業所側の技術責任者」というイメージです。

建設業許可制度では、発注者が安心して工事を任せられるよう、一定の技術力・財産的基礎・誠実性を備えた業者だけを許可する仕組みになっています。
専任技術者は、そのうち「技術力」を担保する中核的な要件です。

営業所に常勤する専任技術者がいることで、無理な見積もりや、技術的に無理な受注を防ぎ、結果として工事トラブルの防止につながるとされています。
そのため、専任技術者を欠く状態が続くと、許可行政庁から指導や処分の対象になり得ます。

専任技術者の要件は、「一般建設業」と「特定建設業」で異なります。
一般建設業は、下請に出す金額が一定規模未満の元請工事や、下請として工事を行う事業者向けの許可です。

一方、特定建設業は、下請への発注額が4,500万円以上(建築一式工事では7,000万円以上)の大規模な工事を元請として受注する事業者向けで、専任技術者にも「指導監督的実務経験」などより高い要件が求められます。
この記事では、特にご相談の多い「一般建設業の専任技術者」を中心に説明します。

一般建設業の専任技術者になるには、概ね次のいずれかを満たす必要があります。

  • 許可を受けようとする業種に対応する国家資格を持っていること
  • 指定学科の卒業と、学歴に応じた一定年数の実務経験があること
  • 許可業種に関する建設工事について、10年以上の実務経験があること

国家資格で代表的なものとしては、建築一式なら一級・二級建築士、土木一式なら一級・二級土木施工管理技士などが挙げられます。
資格がない場合でも、実務経験10年以上により専任技術者要件を満たすことが可能です。

実務経験として認められるのは、単に建設会社に在籍していた期間ではなく、「許可を受けたい工事に直接関係する業務に従事していた期間」です。
具体的には、施工管理、現場監督、積算・見積、工程管理、品質・安全管理など、建設工事の遂行に実質的に関与していた業務が含まれます。

一方で、総務・経理だけを担当していた期間や、建設工事と関係の薄い営業活動のみの期間は、実務経験として認められない可能性があります。
また、土木工事の経験は「土木一式工事」等にはカウントできても、「電気工事」にはそのまま充当できないなど、業種との対応関係にも注意が必要です。

実務経験による専任技術者要件を満たすための基本は、「10年以上の経験」です。
ただし、指定学科を卒業している場合は、学歴に応じて必要年数が短縮される制度があります。

実務経験年数は、原則として日数ではなく「年単位」でカウントし、建設工事に従事していた期間を通算します。
複数の事業者に勤務していた場合でも、業種や業務内容が要件に合致していれば、途切れのない期間を合算して10年以上あれば要件を満たし得ます。

実務経験で専任技術者要件を満たす場合、「実務経験証明書(様式第9号)」と、その内容を裏付ける資料の提出が基本です。
実務経験証明書には、担当していた工事の名称・工期・工事内容・請負金額などを、年ごとに整理して記載していきます。

そして、その記載内容が事実であることを証明するために、契約書・注文書・請求書・入金の通帳写しなどを複数組み合わせて添付するのが一般的な実務です。
自治体ごとにローカルルールがあり、具体的な求められ方が異なる点にも注意が必要です。

実務経験を裏付ける代表的な資料として、次のようなものが挙げられます。

  • 工事請負契約書
  • 注文書・請書のセット
  • 請求書と入金通帳の写し
  • 見積書と発注書が対応している資料
  • 工事写真や現場日報など、実際に工事を行っていたことが分かる資料

これらに加えて、技術者本人が当該会社に「常勤」していたことを示すため、健康保険被保険者証の写し、住民税の特別徴収税額通知書、雇用保険被保険者証などを提出する自治体もあります。

実務経験証明書を作成する際のポイントは、「一貫したストーリーで説明できるか」です。
同じ業種の工事を、10年以上にわたって継続的に行ってきたことが分かるよう、工事名・工事内容・請負金額の整合性を意識して整理します。

また、工期と勤務期間が矛盾しないように注意し、複数の工事を並行して担当していた場合は、空白期間が生じないように記載の順序を工夫します。
後から裏付け書類を探すのではなく、先に手元の資料を一覧化してから、証明書に落とし込むとスムーズです。

年数分すべてについて契約書や注文書が揃わないケースも少なくありません。
そのような場合には、複数種類の資料を組み合わせて、実務経験がある程度連続していることを示す工夫が求められます。

例えば、初期の数年分は工事契約書と注文書で証明し、中期は請求書と通帳の入金記録、最近の期間は在籍証明書や現場写真・日報などを補足資料として提出する、といった形です。
ただし、どこまでを認めるかは都道府県ごとの運用差があるため、事前に所轄の担当窓口へ確認しておくと安心です。

特定建設業の専任技術者については、一般建設業の要件を満たした上で、「請負代金4,500万円以上の工事(建築一式は7,000万円以上)について、2年以上の指導監督的な実務経験」が必要とされています。

ここでいう指導監督的実務経験とは、現場代理人・監理技術者として、複数の工種を統括し、下請業者を指揮監督した経験などを指すとされています。
そのため、工事経歴書や専任技術者の実務経験証明書において、担当した工事規模と役割を具体的に示すことが重要になります。

中小規模の建設業者では、創業当初の契約書や注文書を保存していない、個人事業時代の資料が散逸している、といった状況になりがちです。
また、実務上は十分な経験があっても、業種区分や工事内容の整理が不十分なために、10年の証明ができないケースも見受けられます。

こうした場合には、過去の得意先や元請業者に協力を依頼し、発注書の再発行や在籍証明書の作成をお願いするなど、資料を少しずつ補っていくことになります。
自治体の担当者も、趣旨に沿って真摯に資料を揃えようとしているケースには、可能な範囲での柔軟な取り扱いをしてくれることが多い印象です。

専任技術者の要件や実務経験の証明は、条文上の要件だけでなく、各都道府県の運用実務も踏まえて検討する必要があります。
事前相談の段階から、どの工事をどの業種としてカウントできるか、どの資料をどのように組み合わせるかを検討することで、無駄な差し戻しや時間ロスを減らすことができます。

建設業許可を専門とする行政書士であれば、過去の審査傾向を踏まえた「攻め方・引き方」のバランスを提案し、申請者の状況に合わせた現実的なプランを一緒に考えることができます。
専任技術者の選定や実務経験証明に不安がある場合は、早めに専門家へ相談されることをおすすめします。

建設業許可における専任技術者は、営業所ごとに常勤で配置が義務付けられた「技術責任者」であり、許可要件の中でも特に重要な存在です。
国家資格がない場合でも、許可業種に関する建設工事の実務経験が10年以上あれば、専任技術者要件を満たせる可能性があります。

実務経験で証明するためには、実務経験証明書(様式第9号)と、契約書・注文書・請求書・通帳・在籍証明書などの裏付け資料を組み合わせて、連続した経験年数を示していくことが求められます。
自治体ごとに運用が異なるため、事前に所轄行政への確認や、建設業許可に詳しい行政書士への相談が、スムーズな許可取得への近道になります。

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