はじめに
近年、日本での人手不足を背景に、特定技能在留資格で就労する外国人が増加しています。企業や受入れ機関は労働基準法や入管法などの各種要件を正確に理解し、適切な雇用管理を行うことが求められております。特に、在留資格の更新手続においては、勤務形態・労働時間が基準を満たしているかどうかが重要なポイントとなります。
特定技能の在留資格更新要件
特定技能外国人を雇用する場合、「所定労働時間が、特定技能所属機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること」が法律で求められています。これは、パートタイム勤務など基準に満たない勤務体系では、更新申請時に不許可となる恐れがあることを意味します。法務省のFAQでも、特定技能外国人は「フルタイムで業務に従事することが求められます」と明記されています。
労働時間不足による不許可事例
例えば、会社の規定よりも著しく少ない時間でしか就労していない場合、更新申請の審査で「通常の労働者と同等の所定労働時間であること」の要件を満たしていないと判断され、不許可となる可能性があります。万一不許可となった場合、帰国準備や他の在留資格への変更申請などが必要となる場合もあるため注意が必要です。
事例
Aさんは介護施設で特定技能1号として勤務していましたが、業務縮小により週20時間のみの勤務となりました。更新申請時、「同じ施設で勤務する日本人と同等の所定労働時間でない」と判断され、不許可となり、最終的に転職による新規雇用契約締結で在留資格を維持したケースがあります。
受入れ機関が守るべきポイント
受入れ企業は、特定技能外国人の労働条件(勤務時間・給与等)が日本人労働者と同水準であることを証明する必要があります。不明な場合は、入管庁や厚生労働省の情報を参照しながら、雇用契約や実態調査をしっかりと行うことが重要です。
まとめ
特定技能外国人の在留資格更新においては、労働時間が所属機関の通常の労働者と「同等」であることが必須要件となります。パートタイムや極端に少ない勤務時間は原則認められておらず、不許可リスクが高いため、採用時・更新時には必ず労働契約内容を見直し、基準を満たすよう対策しましょう。