はじめに
日本人の配偶者等の在留資格は、家族と共に日本で安定した生活を送るために大変重要なビザです。ビザ更新の際、「過去の交通違反歴があると不許可になるのでは?」と不安に思われる方も多いのではないでしょうか。本記事では、法務省などの公的情報をもとに、交通違反が複数あった場合の配偶者ビザ更新への影響について詳しく解説します。
配偶者等ビザ更新の基本要件
配偶者等ビザの更新申請は、原則在留期限の3ヶ月前から管轄の入管で申請ができます。審査では、住所地の届出、納税、婚姻状況等、個人の生活状況が総合的に評価されます。
重要なのは「素行善良性」の項目であり、これが特に交通違反などの法令違反行為の審査に関係してきます。
複数の交通違反はどの程度影響するか?
基本的に、交通違反が1件だけの場合、その違反が軽微であれば通常は大きな問題にはなりません。
しかし、複数回にわたって交通違反を繰り返す、または信号無視・酒気帯び運転など重大な違反がある場合には、「素行善良性」に問題があると判断される可能性が高まります。その結果、更新が不許可となるケースも実際に存在しています。
特に、反則金未納や、罰金刑・刑事処分を受けた場合、申請内容に必ず記載しなければならず、虚偽の申告は更に重大な不許可理由となります。
過去事例と公的情報から分かる判断基準
法務省・入管庁は、「日本で生活する上で安定した家族生活を営むことができるか」「善良な素行であるか」という観点で審査します。そのため、繰り返しの交通違反や、社会的に重大な違反の場合は、審査官の裁量で不許可となることがあります。
なお、公式に「違反〇件で不許可」という明確な基準は示されていませんが、近年のガイドラインや運用状況からは、以下がポイントとなります。
- 軽微な違反が1~2度程度であれば、反省の意志や再発防止策を示すことにより、許可の可能性が残ります。
- 酒気帯び運転や重大事故による刑事処分は、理由説明や反省文提出だけでは許可が難しい場合があります。
- 違反の回数が多くても、時間が経過していて以後は違反がない場合、反省と改善の継続を具体的に示すことが重要です。
申請時の注意点と対策
交通違反歴がある場合、申請書への正直な記載と、反省文・再発防止策の提出が有効です。嘘の申告や記載漏れは、在留資格そのものが取り消される可能性があるため絶対に避けてください。
また、反省文では「なぜ違反を起こしたのか」「今後どのように生活していくか」「再発防止の具体的な取り組み」を簡潔かつ具体的に記載しましょう。
重大違反の対応例(事例)
例えば、3年前に酒気帯び運転で罰金刑を受けた場合、直近1年以上無事故・無違反であり、反省文を提出し、生活態度の改善を具体的に記載した場合は、許可される可能性が全くゼロではありません。しかし、継続して違反を重ねている場合や、反省が見られない場合は、更新が非常に困難となります。
交通違反と配偶者ビザ更新―よくある質問
Q. 交通違反の回数に制限はある?
A. 明確な件数基準はありませんが、繰り返し違反や重大違反は審査時に不利となります。
Q. 申請時に違反を隠した場合は?
A. 虚偽申告は、在留資格取消の可能性があり、絶対に避けてください。
Q. 違反が過去のもので今は改善している場合は?
A. 反省の姿勢や再発防止策を示すことで、審査で考慮されることがあります。
まとめ
複数の交通違反があっても、「即、不許可」とは限りませんが、繰り返しの違反、重大な違反歴がある場合は、在留期間更新に大きく影響します。申請時には誠意を持って違反歴を申告し、反省の意志および再発防止策の提出を忘れないようにしましょう。公的情報を正しく理解し、ビザ更新を目指してください。


