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特定活動(継続就職活動)で内定取り消しになったら?申請が許可されるケース・されないケースを行政書士が解説します

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日本の大学や専門学校を卒業した留学生が、卒業後も日本で就職活動を続けるために利用する在留資格の一つが「特定活動(継続就職活動)」です。
しかし、いったん就職内定が決まったものの、その後に内定取り消しとなってしまった場合、「継続就職活動」での在留資格変更や更新が認められるのかどうか、不安に感じる方は少なくありません。
この記事では、内定取り消し後に「特定活動(継続就職活動)」を申請しても許可されるケースとされないケースの考え方を、公的情報を踏まえながら、実務的な視点で整理して解説します。

出入国在留管理庁は、大学や専修学校専門課程などを卒業した留学生が、在留資格「留学」の在留期間満了後も日本で継続して就職活動を行う場合、「特定活動(継続就職活動)」への在留資格変更を認める運用を示しています。
卒業後の在留資格は原則6か月で付与され、就職活動の状況など一定の条件を満たせば、さらに一度だけ更新が認められ、最長1年間の就職活動が可能とされています。

また、入管庁が公表する「在留資格『特定活動』」の案内では、就職活動や内定後就職待機など、卒業後の状況に応じた複数の「特定活動」の類型が規定されており、どの類型に該当するかで必要書類や審査のポイントも変わります。
このため、「内定がある状態」と「内定がない状態」とで、どの特定活動を申請すべきかを整理しておくことが重要です。

法務省・出入国在留管理庁は、卒業後に就職先が決まっていない場合は「継続就職活動」、内定が決まっていて就職開始日まで在留する必要がある場合は「内定後就職までの在留を目的とする特定活動」という別の枠組みを用意しています。
前者は、卒業した教育機関の推薦状や、継続的に就職活動をしていることを示す資料の提出が求められるのに対し、後者は、原則として企業の内定通知書や雇用契約書など「内定の事実」を証明する書類が中心となります。

そのため、内定が取り消された後に「内定後就職までの特定活動」のまま在留を続けることは適切ではなく、状況によっては「継続就職活動」への切り替えや、別の在留資格の検討が必要となります。
内定の有無によって、どの在留資格に該当するかが変わるため、内定取り消しがあった時点で、早めに在留資格の方針を見直すことが大切です。

内定取り消しがあっても、「特定活動(継続就職活動)」への変更や更新が認められる余地があると考えられる典型例として、次のようなパターンが挙げられます。

  • 内定取り消しが企業側の事情(経営悪化・採用計画の見直しなど)によるものであり、留学生側に重大な非違行為や虚偽申告がない場合
  • 内定取り消し後も、直ちに就職活動を再開し、応募記録・面接記録など「継続的な就職活動」を示す資料を用意できる場合
  • 卒業した学校から、継続就職活動のための推薦状を得られ、在学中から継続して就職活動を行っていたことが確認できる場合

入管庁の案内では、卒業後の就職活動に関して、「在留状況に問題がなく」「継続して就職活動を行っていること」「教育機関からの推薦」が重要な要素とされています。
内定取り消しそのものは必ずしも不許可理由とは限らず、その後も誠実に就職活動を継続していることを資料で説明できれば、「継続就職活動」としての在留が認められる可能性は十分あります。

一方で、内定取り消し後の在留資格申請が不許可となるリスクが高いと考えられるのは、次のようなケースです。

  • 内定取り消しの理由が、重大な経歴詐称や資格・学歴の虚偽申告など、在留資格の審査にも直接影響するような場合
  • 内定取り消し後、長期間にわたり就職活動の実績が乏しく、履歴書送付や面接の記録など、継続的な活動を示せる資料がほとんどない場合
  • 不法就労、長期の欠勤、度重なる資格外活動違反など、在留状況全体について入管庁が問題視し得る事情がある場合

出入国在留管理庁は、就職活動を目的とする特定活動の許否判断にあたり、「これまでの在留状況に問題がないこと」や「継続的な就職活動を行っていること」を重視すると説明しています。
したがって、内定取り消しの経緯や、これまでのアルバイト・学業・在留状況も含めた全体像を整理し、「就職活動を続ける合理的な理由と実績」を丁寧に説明することが不可欠です。

内定取り消し後に、誤った対応をしてしまうと、その後の在留資格審査で不利になるおそれがあります。

  • 内定が取り消されているにもかかわらず、その事実を黙ったまま「内定後就職までの特定活動」や就労系在留資格の申請を続けること
  • 企業から内定取消の通知を受けた後も、同じ会社に就職する前提で説明資料を作成し、結果的に申請内容との矛盾を生じさせてしまうこと
  • 在留期限が近いにもかかわらず、申請の取り下げや在留資格変更の手続を放置し、不法残留に近い状態を招いてしまうこと

専門家サイトでも、内定取り消し後に以前の前提で申請を続けると「虚偽申請」と評価される可能性があることが指摘されており、速やかに状況に合う在留資格へ切り替える必要があるとされています。
特に、在留カードや申請書に記載する「就職予定先」の情報と、実際の内定状況が食い違っていると、信用性の面で大きなマイナスとなるため注意が必要です。

内定取り消しとなった場合、今後の在留資格をどのように考えるべきか、主な選択肢は次のとおりです。

  1. 再度「継続就職活動」として申請・更新を目指す
    • 卒業した学校から推薦状をもらう
    • 内定取り消し後の応募企業リスト、エントリーシート、面接記録などを整理する
    • 希望する職種と、専攻内容との関連性を説明できる資料を準備する
  2. 新たな内定が出た場合は、「内定後就職までの特定活動」や就労系在留資格への変更を検討する
    • 新しい企業からの内定通知書・雇用契約書を取得する
    • 業務内容が専攻内容や在留資格区分の要件に合っているかを確認する
  3. 在留資格の選択肢が限られる場合は、早めに帰国準備や別の在留資格(家族滞在など)の可能性も検討する

入管庁の資料では、特定活動(継続就職活動)の審査において、「卒業前から継続して就職活動を行っていることを示す資料」や「教育機関からの推薦」が求められる類型があることが示されています。
内定取り消し自体は避けられないこともありますが、その後の行動次第で、在留資格審査における評価は大きく変わるため、早めに専門家に相談することが重要です。

ここでは、実際の相談事例ではなく、よくある傾向を踏まえた架空のケースとしてイメージを紹介します。

【許可されたイメージケース】
日本の大学を卒業したAさんは、IT企業から内定を得て「内定後就職までの特定活動」に変更しましたが、企業の採用計画見直しにより内定が取り消されました。
Aさんはすぐに大学のキャリアセンターに相談し、推薦状を取得するとともに、複数の企業に応募を行い、その記録を整理して「特定活動(継続就職活動)」への変更申請を行い、結果として許可を得ることができました。

【不許可となったイメージケース】
一方、日本の専門学校を卒業したBさんは、内定取り消し後、しばらくアルバイトに専念し、就職活動はほとんど行っていませんでした。
在留期限が迫ってから慌てて「継続就職活動」で更新を申請しましたが、応募実績を示す資料が乏しく、過去にも資格外活動の上限を超えて働いていた経緯があったため、不許可となってしまいました。

このように、内定取り消しがあったから必ず不許可になるわけではありませんが、その後の就職活動の実績や在留状況の適正さが、審査結果を大きく左右します。

特定活動(継続就職活動)は、卒業後も日本で就職活動を続けたい留学生にとって重要な在留資格ですが、内定取り消しがあった場合は「内定後就職までの特定活動」との切り替えや、就職活動の実績の立証がカギになります。
企業側の事情による内定取り消しであっても、就職活動を再開し、教育機関の推薦や応募実績などを丁寧に揃えれば、継続就職活動として許可される可能性は十分にありますが、就職活動の実態が乏しい場合や、在留状況に問題がある場合は不許可リスクが高くなります。
内定取り消しが起きたときには、事実を隠したまま申請を続けることは避け、早めに状況に合った在留資格の方針を検討し、必要に応じて行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。

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