はじめに
日本で事業経営を行うための在留資格「経営・管理」の申請には、多種多様な書類の提出が求められます。その中でも契約書類は重要な証拠となるため、書類の言語が審査に与える影響や、外国語のみで提出した場合の対応策を正しく理解しておくことが必要です。本記事では、経営管理の在留資格申請における「提出した契約書類が外国語のみ」の場合の許可に対する影響と、その際の具体的な対応策について解説いたします。
外国語書類の提出ルール
法務省・出入国在留管理庁の公式ウェブサイトでは、在留資格申請の際に日本語以外の言語で作成された書類は、原則として日本語訳(翻訳文)を添付することが求められています。特に契約書のように専門用語や内容が複雑な書類は、翻訳文がない場合、審査官が内容を正確に理解できないため不利になることが多いです。
なお、英語で作成された書類に関しては、内容がシンプルで理解しやすければ、翻訳文なしでも受け付けてもらえる可能性もありますが、契約書類は専門的な内容が多いことから翻訳文の添付が望ましいとされています。
外国語のみの契約書類が許可に与える影響
外国語のみの契約書類を提出すると、審査側が内容の詳細を正確に把握できず、審査に時間がかかったり、不許可となるリスクが高まったりします。特に、契約書が事業の実態を示す重要な証明になるケースでは、内容が不明瞭なままでは経営管理の在留資格としての適格性を疑われる可能性があります。
このため、契約書類の原本に加えて、日本語に翻訳した文書を添付して提出することで、審査の透明性を高め、スムーズな許可取得につながるのです。
翻訳文の作成時のポイント
翻訳文は、必ず原文と対比できる形式で作成し、翻訳者の氏名・住所・翻訳完了日を明記し、「原本を正しく翻訳しました」という文言を入れるのが正式な手順です。この書式を満たせば、本人が翻訳する場合も問題なく受け付けられます。プロの翻訳業者に依頼する場合も同様です。
また、翻訳ミスや意味の取り違えは審査に悪影響を及ぼすため、内容が正確かつ自然な日本語であることが重要です。専門用語や分量の多い契約書の場合は、なおさら注意が必要です。
対応策の具体例
- 契約書類が外国語のみの場合は、まず日本語訳をつけることが必須と考える。
- 英語文書でも、専門的な契約書は翻訳文をつけることで許可の可能性が高まる。
- 翻訳の記載ルールを守り、原文と対比できるように作成する。
- 日本語が苦手な申請者であれば、日本語対応できる専門家(行政書士や翻訳者)に依頼することが望ましい。
- 追加で説明資料や補足書類を用意して内容の補強を行うことも有効です。
まとめ
経営管理の在留資格申請において、外国語のみの契約書類を提出することは審査上のリスクとなります。原則として、日本語訳を添付することで審査の確実性を高めることが重要です。英語書類でも専門用語が多く含まれる契約書は翻訳文をつけることをおすすめします。適切に翻訳文を作成し、必要に応じて専門家の協力を得ることで、許可取得の可能性を高められます。適切な準備を行い、スムーズな申請を目指しましょう。