はじめに
日本で会社経営を担う外国人が取得・更新を目指す「経営・管理」在留資格は、特に営業実体の証明が不十分な場合、許可されないリスクが非常に高まります。本記事では、よくある証拠不足の原因と、その許可対策について、法務省など公的情報に基づき分かりやすく解説します。
経営管理ビザとは
「経営・管理」の在留資格とは、日本国内で会社等の経営または管理を担う外国人に認められる特定活動ビザです。正式名称は”在留資格「経営・管理」”で、会社設立や既存事業の代表・役員・支店長等への就任、管理部門マネージャーなどが対象です。
必要とされる営業実体の証拠とは
- 事業所の実態(実際に事業活動を行っているか)
- 事業規模(資本金500万円以上または常勤職員2名以上)
- 継続性(今後も事業が維持・拡大される見込み)
- 日本人同等以上の報酬
これらに対応する証拠書類の典型例は、以下のとおりです。
- 事業所の賃貸契約書・登記簿謄本・写真
- 取引契約書・請求書・領収書
- 営業許可証(必要業種の場合)
- 雇用契約書・住民税特別徴収届出など従業員関係
- 営業活動の記録(メール、取引履歴 etc)
証拠不足が問題となる典型パターン
営業実体の証明が不十分となる主なケースには次のようなものがあります。
- バーチャルオフィス・シェアオフィスしか使用していない
- 実際の従業員がおらず、雇用関係書類しか提出できない
- 実際の取引履歴が少ないか、短期間しか存在しない
- 営業許可や業種ライセンスが未取得
- 営業の現場となる写真が存在しない
許可対策の具体例
営業実体を強調し証拠不足を補うために有効な対策は、以下の通りです。
1. 事業所の現地写真を多角的に用意する
- 外観・内観だけでなく、看板や社名プレート、事務設備配置、従業員が勤務している様子も撮影
- 業務シーン(顧客対応・会議・商品管理)が分かるカットを用意
2. 取引実績・営業活動記録を整理する
- 最初の契約書や納品書・請求書だけでなく、メール・FAX・SNS・電話記録など営業活動の動かぬ証拠を時系列で提出
- 宣伝活動のチラシ、HP、広告費用請求書なども加える
3. 雇用証明の強化
- 雇用契約・給与支払記録と並び、社会保険加入状況や出勤簿も提出
- 人事評価や組織図等で実際のマネジメント実態を示す
4. 事業計画・資金繰り計画の作成
- 事業計画書には、現状から今後の目標、具体的なアクションプランを記載
- 資金計画・売上見込根拠・実績推移をグラフや表で見せる
5. 不明点は必ず補足説明書で提出
- 不足がやむを得ない場合(新規立ち上げ、取引先都合、営業開始直後など)は、その事情と今後の見込み、営業努力を明記した補足説明書を自作し添付
事例
韓国国籍のAさんは東京都内で飲食店を開業し、「経営・管理」ビザを申請。しかし営業開始直後のため実際の取引はまだごくわずか。Aさんは、オープン初日の店舗内外写真や、今後のイベント計画、開店当初に契約した食材仕入れ業者との契約書、勤務予定表、SNSでの集客活動記録を細かく提出。補足説明書で「営業開始間もないが地域へのPR活動を強化中」と記載し、追加書類提出も積極的に行った。
最新の公的ガイドラインとよくある注意点
- 審査は「総合判断」なので特定の証拠一つ欠如で必ず不許可になるわけではありませんが、「説明のない証拠不足」は危険です。
- 不足事由がある場合は、出入国在留管理庁の公式ガイドラインやFAQも参照しながら、必ず理由説明と今後の改善計画を提出しましょう。
まとめ
「経営・管理」在留資格では、営業実体の証拠が不十分な場合でも、現場の実態を多面的に示す書類や写真、営業活動履歴、補足説明などの工夫で十分な説明責任を果たすことが重要です。公式情報や最新ガイドラインに従い、必要があれば専門家とも連携しながら慎重に準備しましょう。